[Windows]データ重複除去を併用していると,ボリュームシャドウコピーが全部消される

Windows

概要

イベントログに時々(たいていは土曜日の午前)に,Volsnap エラー イベント ID 35 が記録される。

ログの名前: System
ソース: Volsnap
イベント ID: 35
レベル: エラー
説明:
シャドウ コピーの記憶域を拡張できなかったためにボリューム D: のシャドウ コピーが中止しました。

ログの名前: System
ソース: Volsnap
イベント ID: 25
レベル: エラー
説明:
シャドウ コピーの記憶域を時間内に拡大できなかったためにボリューム I: のシャドウ コピーは削除されました。システムの IO 負荷を減らすか、またはシャドウ コピーされていないシャドウ コピーの記憶域ボリュームを選んでください。

これまでため込んでいたボリュームシャドウコピーが全部消されている。

原因

IO負荷が多すぎたり,空き容量を大量に消費する処理がなされると VSSのシャドウコピーがWindowsによって削除されます。そういう仕様なので仕方がない。

特に,重複除去を併用していると,毎週土曜日の午前2時35分に ガベージコレクション の処理がスタートし,4回に1度 フルガベージコレクション処理となり かなりIOが発生する。そのため,公式サイトでも VSSのデータが削除されてしまう可能性がアナウンスされている。

フル ガベージ コレクション ジョブは、「通常の」ガベージ コレクションよりも多くの空き領域を再利用します。ただし、フル ガベージ コレクションでは、ボリューム上でより多くのチャーンが発生します。これは、参照されていないチャンクがある場合、すべてのチャンク コンテナーが圧縮 (書き換え) されるためです。

このボリュームのチャーンは、次の問題と副作用を引き起こす可能性があります。

ボリューム シャドウ コピー サービス (VSS) のシャドウ コピーの削除

https://learn.microsoft.com/en-US/troubleshoot/windows-server/backup-and-storage/full-garbage-collection-performance-issue

どうしたものかと・・・

対応できるいくつかの案は以下のとおり・・

ボリュームシャドウコピーが消されたら,自動的に作成するタスクを組み込む

以下のページに記載

フル ガベージ コレクション だけ実行されないようにレジストリ変更

レジストリで調整する

HKLM\System\CurrentControlSet\Services\ddpsvc\Settings /v DeepGCInterval /t REG_DWORD /d 0xffffffff

そして「過去のVSSは消えてもいい」という時に手動で フルGCを実行する。コマンドは以下 Powershellにて実行する。

Start-DedupJob <volume> -Type GarbageCollection -Full

そもそもVSSが消えたら困るという運用なので,この方法は採用できない環境が多いと思う。

シャドウコピーの記憶域を別のボリュームにする

重複除去処理中による該当ボリュームの空き容量不足にともなうVSSの削除であれうば解決するようです。ただしIO負荷に起因するVSS削除には役に立ちそうもない。

VSSによるコピーは最低1つあればいいという運用に変更し,VSSによるコピー作成スケジュールを追加する

VSSについては共有ファイルをクライアントから誤って消してしまった場合には大変重宝する。これで何度も救われている。でもVSSで1か月以上もため込んでファイルバージョン管理するという無謀な運用は悲しい結果を経験することにつながる。うまくいっている場合は”たまたま” だと思う。

VSSコピーファイルは,OSによって突然消されてしまうことがある。溜め込めると期待した運用は非現実的である。考え方を改め少なくとも1つのVSSコピーが残っていればいいという運用にするのがよい。

シャドウコピーの設定 の スケジュール にて,重複除去による削除が発生しそうな時刻(過去のイベントログで確認するといい)の少し後に 作成するよう追加のスケジュールを組み込むことにした。毎週,土曜日の午前3時ごろに消されていたので,余裕をみて 毎週 土曜日の午前7時に 作成されるようスケジュールした。これで重複除去処理で全部消えても1つは残ってくれるだろう。

いずれにしても,空き容量不足なら仕方がないものの,IO負荷によって VSSが消されることがないようOSがアップデートされることを願う。

プロパティ

Windows Server 2022

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